天空のエトランゼ〜レクイエム編〜(前編)
「な、何?」
ゆっくりと振り返った男は、椅子の後ろに立つ…学生服を着た少年の存在に気付いた。
「伯父様」
少年は、男にウィンクした。
「茉莉!」
男は椅子から離れ、俺の方に後ずさった。
「こ、ここは!この屋敷に、出入りを禁じてるはずだ!」
男の言葉に、少年は笑った。
「伯父様がね。だけど、入ろうと思えば、いつでも入れたわ」
そして、ゆっくりと近付いてくる少年に気付き、男は後ずさりながら、叫んだ。
「誰かおらぬか!神はどうした!他の者でもいい!こやつを何とかしろ!」
男は、後ろを見ていない為に、俺にぶつかりそうになった。
仕方がなく、避けようとしたが、その前に…猫沢と上月が、男の肩を掴んだ。
「大丈夫ですか?菱山様」
俺の後ろから、真田が現れた。
「おおっ!真田!」
男は、嬉しそうな声を発した。
「お主からも言ってくれ!ここは、出入り禁止だと!そう先代と決めたはずだ」
「そうでしたね」
真田は頭を下げた後、男の前に来た。
「お嬢様がお生まれになられた時、あなた様はその力に、恐怖された。何度か殺害しょうともしたが…それもかなわなかった。だからこそ、あなたはこの屋敷に閉じ籠り…お嬢様以上の神の出現を待った」
真田は話しながら、猫沢に目をやった。
すると、男の後ろまで、猫沢は椅子を移動させた。
「どうぞ」
猫沢の言葉に、男は座った。
「菱山様」
真田は跪き、
「あなたが待った神は、生まれ…後は、お嬢様を手込めにするだけだった。新たなる闇の力を持つ者達の力を借り、契約も結べた。数万人の魂と引き換えに、この世界の支配者となることも」
床を見つめながら、微かに笑って見せた。
「し、支配者ではない。今のわしは、ある意味この社会を支配している。しかし、神にはなれない」
菱山は震えながら、言葉を続けた。
「金を持ってるとかではない!権力でもない!人間のそういった感情を超越した時に、人は神になるのだ」
ゆっくりと振り返った男は、椅子の後ろに立つ…学生服を着た少年の存在に気付いた。
「伯父様」
少年は、男にウィンクした。
「茉莉!」
男は椅子から離れ、俺の方に後ずさった。
「こ、ここは!この屋敷に、出入りを禁じてるはずだ!」
男の言葉に、少年は笑った。
「伯父様がね。だけど、入ろうと思えば、いつでも入れたわ」
そして、ゆっくりと近付いてくる少年に気付き、男は後ずさりながら、叫んだ。
「誰かおらぬか!神はどうした!他の者でもいい!こやつを何とかしろ!」
男は、後ろを見ていない為に、俺にぶつかりそうになった。
仕方がなく、避けようとしたが、その前に…猫沢と上月が、男の肩を掴んだ。
「大丈夫ですか?菱山様」
俺の後ろから、真田が現れた。
「おおっ!真田!」
男は、嬉しそうな声を発した。
「お主からも言ってくれ!ここは、出入り禁止だと!そう先代と決めたはずだ」
「そうでしたね」
真田は頭を下げた後、男の前に来た。
「お嬢様がお生まれになられた時、あなた様はその力に、恐怖された。何度か殺害しょうともしたが…それもかなわなかった。だからこそ、あなたはこの屋敷に閉じ籠り…お嬢様以上の神の出現を待った」
真田は話しながら、猫沢に目をやった。
すると、男の後ろまで、猫沢は椅子を移動させた。
「どうぞ」
猫沢の言葉に、男は座った。
「菱山様」
真田は跪き、
「あなたが待った神は、生まれ…後は、お嬢様を手込めにするだけだった。新たなる闇の力を持つ者達の力を借り、契約も結べた。数万人の魂と引き換えに、この世界の支配者となることも」
床を見つめながら、微かに笑って見せた。
「し、支配者ではない。今のわしは、ある意味この社会を支配している。しかし、神にはなれない」
菱山は震えながら、言葉を続けた。
「金を持ってるとかではない!権力でもない!人間のそういった感情を超越した時に、人は神になるのだ」