天空のエトランゼ〜レクイエム編〜(前編)
「この世界に入ることが、できるなんて…」
茉莉は立ち上がると、侵入者を睨んだ。
「何者です?」
「フン」
しかし、侵入者は茉莉ではなく、俺を睨み付け…ただ殺気だけを放っていた。
(ひぇ〜)
俺は動けないながらも、後ろにいるだろう侵入者の魔力を感じ、怯えていた。
「その態度!」
茉莉は、自分を見ようともしない侵入者の態度にキレた。右手を突きだすと、炎の気弾を放った。
しかし、侵入者はそれを片手で弾き返した。
茉莉の真横を通り過ぎ、後方で気弾は爆発した。
まだ安定していない世界が、激しく揺れた。
「え」
茉莉は、信じられないものを見たかのように、唖然とした。
「まったく〜」
侵入者は頭をかいた。
「何を!ちんたらやってるんだ」
そして、一瞬では距離をつめると、固まっている俺の背中を蹴った。
「うわあ!」
ふっ飛んで、そのまま倒れるかもしれないと思った俺の体は、反射的にバランスを取り、踏みとどまった。
どうやら、ショックで茉莉の呪縛が消えているらしい。
俺は後ろを見ないようにして、茉莉の方に目をやった。
「し、信じられない…」
全身を小刻みに震わせる茉莉の全身から、数秒毎に漏れる魔力の強さがあがっていく。
「や、ヤバい」
俺が振り返ると、両腕を組んだアルテミアと目があった。
「何が、ヤバいって?」
まだ赤く染まっていないアルテミアの瞳の奥に、言い様もない怒りを感じた俺は、思わず後退った。
「あ、あたしは!!」
茉莉は歯を食い縛ると、今度は両手をアルテミアに向けた。
「神よ!」
瞳が真っ赤になった茉莉の両手から、さっきとは比べものにならない程の炎の気弾が放たれた。
至近距離でありながら、球体の気弾の大きさは、半径十メートルをこえた。
炸裂すれば、この空間が破壊されるかもしれなかった。
アルテミアはにやりと笑うと、片手を突きだした。
茉莉は立ち上がると、侵入者を睨んだ。
「何者です?」
「フン」
しかし、侵入者は茉莉ではなく、俺を睨み付け…ただ殺気だけを放っていた。
(ひぇ〜)
俺は動けないながらも、後ろにいるだろう侵入者の魔力を感じ、怯えていた。
「その態度!」
茉莉は、自分を見ようともしない侵入者の態度にキレた。右手を突きだすと、炎の気弾を放った。
しかし、侵入者はそれを片手で弾き返した。
茉莉の真横を通り過ぎ、後方で気弾は爆発した。
まだ安定していない世界が、激しく揺れた。
「え」
茉莉は、信じられないものを見たかのように、唖然とした。
「まったく〜」
侵入者は頭をかいた。
「何を!ちんたらやってるんだ」
そして、一瞬では距離をつめると、固まっている俺の背中を蹴った。
「うわあ!」
ふっ飛んで、そのまま倒れるかもしれないと思った俺の体は、反射的にバランスを取り、踏みとどまった。
どうやら、ショックで茉莉の呪縛が消えているらしい。
俺は後ろを見ないようにして、茉莉の方に目をやった。
「し、信じられない…」
全身を小刻みに震わせる茉莉の全身から、数秒毎に漏れる魔力の強さがあがっていく。
「や、ヤバい」
俺が振り返ると、両腕を組んだアルテミアと目があった。
「何が、ヤバいって?」
まだ赤く染まっていないアルテミアの瞳の奥に、言い様もない怒りを感じた俺は、思わず後退った。
「あ、あたしは!!」
茉莉は歯を食い縛ると、今度は両手をアルテミアに向けた。
「神よ!」
瞳が真っ赤になった茉莉の両手から、さっきとは比べものにならない程の炎の気弾が放たれた。
至近距離でありながら、球体の気弾の大きさは、半径十メートルをこえた。
炸裂すれば、この空間が破壊されるかもしれなかった。
アルテミアはにやりと笑うと、片手を突きだした。