天空のエトランゼ〜レクイエム編〜(前編)
「リンネ様…」
刈谷雄大は、大月学園の体育館裏に立っていた。
勿論、刈谷がいる大月学園は、ブルーワールドの方であった。
「あなたは…向こうの世界に旅立たれた故に…炎の騎士団は、事実上崩壊しました」
刈谷は空間に手を伸ばし、
「我自身も崩壊しました。あなたのいないこの世界では…生きる意味がない。せめて…我に、時空間を越える力があれば」
空間を切り裂こうとした。
しかし、時空間の移動ができるのは、騎士団長のような最上位の魔神だけであった。
刈谷だけでは、時空間の壁をあけることはできなかった。
それでももがいていると、刈谷の魔力に導かれるように…1人の生徒が体育館裏に姿を見せた。
「!?」
その生徒の名は、九鬼真弓。生徒会長である。
数日前から、神隠しにあったように行方不明になっている学園情報倶楽部のメンバーを探していたのだ。
部室ごとなくなっていることから、体育館裏をもう一度調べようと来たところで、刈谷の魔力を感知したのだ。
「デスペラードの抜け殻か」
刈谷は振り返ることなく、後ろに現れた九鬼の正体を見破った。
「あなたは…人間じゃないのね」
すぐさま構える九鬼の様子に、刈谷はフンと鼻を鳴らした後、
「貴様に、女神の力があれば…時空間を越えられものを」
軽く唇を噛んだ。
「時空間を越える!?ま、まさか!」
九鬼ははっとした。
「貴様が探している人間達は、何らかの力でな」
刈谷は、情報倶楽部の部室が異世界に飛ばされたのを知り、体育館裏に来ていたのだ。
何者かによる力が少しでも、残留していないか…。もしくは、まだ道が繋がっていないかと期待していたが、ほとんど何もなかった。
「実世界に飛ばされたのか!」
絶句する九鬼に、刈谷は頷き、
「恐らくな。あの世界は、ここと兄弟みたいなものだからな」
ゆっくりと振り返った。
刈谷雄大は、大月学園の体育館裏に立っていた。
勿論、刈谷がいる大月学園は、ブルーワールドの方であった。
「あなたは…向こうの世界に旅立たれた故に…炎の騎士団は、事実上崩壊しました」
刈谷は空間に手を伸ばし、
「我自身も崩壊しました。あなたのいないこの世界では…生きる意味がない。せめて…我に、時空間を越える力があれば」
空間を切り裂こうとした。
しかし、時空間の移動ができるのは、騎士団長のような最上位の魔神だけであった。
刈谷だけでは、時空間の壁をあけることはできなかった。
それでももがいていると、刈谷の魔力に導かれるように…1人の生徒が体育館裏に姿を見せた。
「!?」
その生徒の名は、九鬼真弓。生徒会長である。
数日前から、神隠しにあったように行方不明になっている学園情報倶楽部のメンバーを探していたのだ。
部室ごとなくなっていることから、体育館裏をもう一度調べようと来たところで、刈谷の魔力を感知したのだ。
「デスペラードの抜け殻か」
刈谷は振り返ることなく、後ろに現れた九鬼の正体を見破った。
「あなたは…人間じゃないのね」
すぐさま構える九鬼の様子に、刈谷はフンと鼻を鳴らした後、
「貴様に、女神の力があれば…時空間を越えられものを」
軽く唇を噛んだ。
「時空間を越える!?ま、まさか!」
九鬼ははっとした。
「貴様が探している人間達は、何らかの力でな」
刈谷は、情報倶楽部の部室が異世界に飛ばされたのを知り、体育館裏に来ていたのだ。
何者かによる力が少しでも、残留していないか…。もしくは、まだ道が繋がっていないかと期待していたが、ほとんど何もなかった。
「実世界に飛ばされたのか!」
絶句する九鬼に、刈谷は頷き、
「恐らくな。あの世界は、ここと兄弟みたいなものだからな」
ゆっくりと振り返った。