天空のエトランゼ〜レクイエム編〜(前編)
時とは何か。
時などはあるのだろうか。
我々あらゆる生き物…いや、形あるもの達が、存在する為にいるエネルギーが尽きるまでを時間というならば…死というものは、単なる電池が切れた状態をいうのだろうか。
ただ…生まれる時間が違うものがたくさんいるから、一斉にすべての存在がなくなる訳がないから…我々は時を感じるのだろうか。
一斉に電池が切れたならば…そこに残るのは、静けさしかない。
すべての生き物が、生きる為に他者を喰らう。
それは本来何もない世界に、生命達がが生き続ける為につくった…回る歯車。
食物連鎖という歯車。
なぜ生き物が老いるのか…遺伝子にそのプログラムが埋め込まれていることは、わかっている。
しかし、そのプログラムがどんなタイミングで発動するのかはわかっていない。
すべての生き物に、死はプログラムされている。
その逆である…生まれる。
なぜ生まれるのか…。なぜ子を作るのか。
すべては、歯車。
時という止まることのない中で、生きていく為のシステム。
そう…我々はシステムなのだ。
しかし、悲しいことに…我々人間には、自我があった。
自我を持つ歯車。
その自我は…死んでもなお、残るものなのか。
心は…記憶はどこにある。
(ここに来たか…)
懐かしそうに呟く声に、
(はい)
麗菜は頷くと、少し慌てるように扉へと向かった。
「ようこそ!KK(ダブルケイ)へ」
和恵はドアボーイのように頭を下げて、麗菜が店内に入るのを待った。
「…」
ちらっと後ろを見た志乃が、麗菜を確認した。
「いらっしゃい」
里美は、笑顔で迎えた。
「お邪魔します」
ぺこっと頭を下げた麗菜を、和恵が後ろから背中を押して、カウンターに促す。
「座って」
笑顔でそう言った後、和恵はカウンターの中にいる里美に、顔を向けた。
「おばさん!」
「はいはい」
里美は頷くと、煙草を灰皿にねじ込み、恐る恐るカウンターに座った麗菜に訊いた。
時などはあるのだろうか。
我々あらゆる生き物…いや、形あるもの達が、存在する為にいるエネルギーが尽きるまでを時間というならば…死というものは、単なる電池が切れた状態をいうのだろうか。
ただ…生まれる時間が違うものがたくさんいるから、一斉にすべての存在がなくなる訳がないから…我々は時を感じるのだろうか。
一斉に電池が切れたならば…そこに残るのは、静けさしかない。
すべての生き物が、生きる為に他者を喰らう。
それは本来何もない世界に、生命達がが生き続ける為につくった…回る歯車。
食物連鎖という歯車。
なぜ生き物が老いるのか…遺伝子にそのプログラムが埋め込まれていることは、わかっている。
しかし、そのプログラムがどんなタイミングで発動するのかはわかっていない。
すべての生き物に、死はプログラムされている。
その逆である…生まれる。
なぜ生まれるのか…。なぜ子を作るのか。
すべては、歯車。
時という止まることのない中で、生きていく為のシステム。
そう…我々はシステムなのだ。
しかし、悲しいことに…我々人間には、自我があった。
自我を持つ歯車。
その自我は…死んでもなお、残るものなのか。
心は…記憶はどこにある。
(ここに来たか…)
懐かしそうに呟く声に、
(はい)
麗菜は頷くと、少し慌てるように扉へと向かった。
「ようこそ!KK(ダブルケイ)へ」
和恵はドアボーイのように頭を下げて、麗菜が店内に入るのを待った。
「…」
ちらっと後ろを見た志乃が、麗菜を確認した。
「いらっしゃい」
里美は、笑顔で迎えた。
「お邪魔します」
ぺこっと頭を下げた麗菜を、和恵が後ろから背中を押して、カウンターに促す。
「座って」
笑顔でそう言った後、和恵はカウンターの中にいる里美に、顔を向けた。
「おばさん!」
「はいはい」
里美は頷くと、煙草を灰皿にねじ込み、恐る恐るカウンターに座った麗菜に訊いた。