トモくんとチハルちゃん
「あ、チハルちゃん。これ、天丼のオマケでもらったからあげる。」
「え?天丼のオマケ?」
トモくんが差し出したのは長くて黒い箱で、ブランド名らしき英語が金色で輝いていた。
(…ネックレスだよね、これ。)
「え、これ、天丼…?え。あの…。」
「オマケでもらったから!はい。あげる。」
どうやら、トモくんはオマケと言い張るつもりらしい。うん、照れて渡し方わからなくなっちゃったんだなぁ。きっと。
「そっかぁ。あの丼屋さん太っ腹だね~。よし。ありがたく頂いちゃおう。」
「グフフ。頂いちゃえ。」
太っ腹なのはトモくんだ、と心の中で呟いて笑っていると、耳まで真っ赤なトモくんにデコピンをくらわされた。そんな夜。