トモくんとチハルちゃん
トモくんと晩ご飯の材料を買うためにスーパーに入った時の事。
「今日は、何にしようかな。」
「ねー。何にしよう。腹減ったなぁ。」
「何食べたい?」
「うーん。チハルちゃんが作るなら、なんでもうまいからなぁ。」
ニコニコしながら、隣を歩くトモくんは、色々な物に興味があるみたいで、特に魚に釘付けだった。
「生きてねぇかな?」
「えー?どうだろ。見てみなよ。」
「うあ。動いてねぇや。そうか、そうか。」
それだけ言って、先にスタスタと、歩いて行ってしまった。
「きっと、今日は魚が食べたいんだろうな。」
なんてブツブツ言いながら、私はアジをカゴに入れた。
そして、辺りを見渡すと、トモくんの姿はもうなかった。