トモくんとチハルちゃん
「もうすぐご飯出来るからね?」
「うん。わかったよ。」
どう言おうかな。
タイミングがないなぁ。
今、言うべきかな。
じぃー、とチハルちゃんを見ながら考える。
(もう、今しかない!)
あれこれ考えるのをやめて、
料理をしてるチハルちゃんに、そーっと抱きついてみる。
「わっ。………どうしたの?」
不思議そうに、振り向いたチハルちゃんの目は、やっぱり少し赤かった。
「んー?なんとなく。」
「料理出来ないよ、トモくん。」
「ねぇ、チハルちゃん。」
お腹にまわした手に、少し力を込めた。