トモくんとチハルちゃん
しばらく背中をポンポン、と叩いていると少し落ち着いてきたみたいで、そのままリビングのソファーに座らせた。
俺は、様子を見ながら、チハルちゃんの好きな紅茶を持って、隣に座った。
「ん、どうぞ。」
「ありがとう。ごめんね?」
「ううん。」
いつもより、元気のないチハルちゃんの笑顔に胸が痛んだ。
俺は、チハルちゃんが悲しんでるのに、こんな事しか出来ないんだなぁ。
もっと器用な男だったらよかったんだけど。
ごめんね、チハルちゃん。
「トモくん?」
「え?」
ハッとしてチハルちゃんを見ると、心配そうな顔で俺を見ていた。
「眉毛下がってる。また、自分の事責めてたでしょ?」
「ん〜?…ちょっとだけね。」
「あのね?今日、ミスが重なっちゃって落ち込んでたの。でも、トモくんのおかげで元気出たよ。だから、自分の事責めないで?」