トモくんとチハルちゃん
「早く帰りたかったー。疲れたよぉ。」
ぎゅう、と抱きついてくるトモくんを、何とか引っ張ってソファーに連れていった。
「ほら、スーツ脱いでよー。」
「わかった、わかった。脱ぐからー。水くれる?」
「うん。持ってくるね。」
水を持って戻ってくると、トモくんはもう夢の中。
「トモくん!起きてよ。寝ないでってば。」
「うーん。…寝ないよ、寝ない。」
ところが、トモくんは一旦起き上がってから、またパタリと寝転んでしまった。それを繰り返すこと数回…。
「もう、ぐにゃぐにゃ…。」
明日の朝になったら、どうやって帰って来たか覚えてない、とか言いだすんだろうな。
「まぁ、それもいいか。」
クスリ、と笑ってからスーツを脱がせる手を進めた。