オネェ様(♂)がお好き!?
一つ屋根の下で
「美羽ちゃーん!夏休みだからってーいつまでも寝ていちゃダメよー!そろそろ起きなさーい?」


んー?もぅ、朝……?

「お母さーん……もぅ、少し……寝か、せて……」

「クスッ。美羽ちゃん?私はお母さんじゃないわよ?もぅ……起きないと悪戯しちゃうわよー?」

?お母さんじゃない?
じゃあ……誰よ……

まだ、眠い目を擦りながら、部屋を見回す。

淡いピンクのカーテンの隙間から、光が差し込んでて……

フリルのついたエプロンを着けた男が、ニッコリ笑ってこっちを見てる。

……フリルのエプロンを着けた男?

フリルのエプロン!?
お母さんはいつもノーエプロン!!

ガバッと私は、起き上がった。


「あっ!やっと起きたわね!おはよう?」

「あ……?えと……」

まだ、寝起きで頭が働かない私は、ちょっと混乱していた。

そんな私の様子に気付いて、フリルのエプロンを着けた男は、優しく笑って、そして言った。

「やだぁ。もう忘れたの?昨日から美羽ちゃんと一緒に暮らしている、お姉ちゃんこと遥でしょ?」

あっ!!
そうだった……
お母さん達は今頃イタリアだ……

「遥……さん。おはよ、ございます。ごめんなさい……寝起きで頭が働かなくて……」

と、ちょっと申し訳なく言うと

「そんな事、気にしなくて良いのよ?」

と、優しく頭を撫でてくれた。

頭撫でられるなんて、何年振りだろ。
なんか、心地良いかも。

「ほら、早く顔洗ってらっしゃい?朝ご飯を食べましょ!!」

「はーい!!」
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