オネェ様(♂)がお好き!?
グイッ……!

不意に遥に腕を引っ張られた。

そして、そのまま捕まって……

と、いうか

抱き締められてるぅ!?


「ちょ……遥さん!?」

困惑気味に遥の名前を呼ぶ私の頭上で、遥が一言。

「可愛いっ!」

……。
はぃ?

「なんて可愛い事言うのー。美羽ちゃんはっ!もぅ、美羽ちゃんが来てくれて良かったわぁ!!」

あぁ……そですか?
そりゃあ、良かった?ですよ……
いや、でもね?喜んでくれるのは嬉しいんだけどさ……

「あの……暑いんですけど……」

だって、今真夏だよ?
抱き締められただけで、汗ダラダラという……


遥さんは、そんな私を見て、すぐに離してくれた。

そして、ちょっと焦りながら

「ごめんね……美羽ちゃんがあまりにも可愛くて、つい……」

と言ってきた。

そぅ、何回も可愛いって言われると照れちゃうよ……


「でも、改めてこれからよろしくね。仲良くしましょうね!」

と言って、遥さんは私の手を握ってきた。

ん?
何??

「それから、私の事はお姉ちゃんって呼んで良いからね!」

……は?
冗談、だよね?
うわぁ……遥さんのあの目、本気だわ……

お姉ちゃんというより、アンタはオネェちゃん。でしょ……?

「いや、出来れば遥さんって呼んで良いですか?」

と苦笑しながら言うと

「えー!!お姉ちゃんって呼んでもらいたかったのにぃ。」

とか、ぶつぶつ言っていたけど、最終的にはしぶしぶ了承してくれた。


とりあえず、私と遥さんの一つ屋根の下、共同生活が今、始まったのだ。
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