ねむねむおーじ<短>
「なんで私が…」
放課後、先生にパシられたことに悪態をつきながら階段をのぼる。
「階段多いよぉ」
4階までのぼるのは結構キツい。
やっと4階について、ふぅと一息つく。
それにしても本当に人いないなぁ。
キョロキョロしながら廊下を進む。
そして第4補習室の前を通りかかろうとした時。
「あ……」
誰もいないと思っていた補習室には人影が。
しかもよく見れば……
「み…ずはら君…?」
規則正しく並んだ机と椅子のうちの1つに俯せて寝ている男子生徒は多分、水原千洋(ミズハラチヒロ)君。
俯せと言っても伸ばした腕に頭をのせてるから、顔は見える。
「ど…しよ」
なんで…なんで水原君がこんなとこにいんの?
てゆうかなんで寝てんのっっ!?
どうしようってなってしまうのも、こんなにパニくってしまうのも、実は今目に映る水原君は私の恋する人。
と言っても水原君はもんのすごくカッコ良くて、女の子の注目の的。
そんな彼にがっつく程、私は積極的ではないし、遠くでみてカッコ良いなぁって思ってるだけで満足だったんだ。
でも……周りに人いないし……
関われるチャンスじゃない…?