☆ムーンチャイルド☆
『はい、助けてくれてありがとうございます』
友希はリンプーの手を借り立ち上がった。
アメフラシがいなくなり、雨が止んだこともあって、友希の体力は元通りに戻っていた。
『こんな森に子供が一人で危ないよ』
リンプーは心配そうに告げた。
『すみません。ちょっと迷ってしまって…』
友希は戸惑いながら答えた。
『そうか…なら村まで案内しよう』
リンプーはそう言って、友希の手を引き颯爽と森の中を歩いた。
やがて森を抜け、小さな村が視界に入ってきた。
『やあ、リンプーさん。村に何かご用かい?』
村の入り口に立っている男がリンプーに尋ねた。