I am Revenge oneself~騙す天才~
―法律の勉強タイム―
【支払督促に関連する社会問題】
根拠のない請求に用いる事例
支払督促を詐欺(架空請求詐欺)に利用する例が知られている。前述のとおり、支払督促は、形式的な要件が整っていれば、債権者の主張の真偽を審査せずに発付され、発付前に債務者の言い分を聞くことはない。しかし、支払督促を受けた債務者は、裁判所から弁済を「命令」され、その「命令」は覆せないものと誤解してしまうことがある。
また、督促異議の申立てにより反論可能なことを理解できなかったり、どのように反論してよいか迷っているうちに督促異議申立期間を経過してしまうこともある。こうして、債務者に支払をさせたり、あるいは債務名義を取得することを狙う。このような支払督促は内容は不当であるが、有効な債務名義であり、法律実務上は被害者に弁済を行うよう従わせるものである。