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私に告白してきたから、彼は私のことが好きだと思っていた。

でもそれは違っていた。

賭けに勝ちたいがために、お金が欲しいがために、彼は私に告白をしてきた。

「ち、違うんだ」

平林くんが慌てて首を横に振った。

「何が違うって言うの!?」

そう言い返した私に平林くんは目を伏せると、
「ずっと、好きだったんだ」
と、言った。

「――はっ…?」

ずっと好きだった?

どうせまた、これもウソだ。

私をなだめるためのウソに決まってる。

「信用できないわ!」

「本当なんだ!」
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