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「他にも方法があったんじゃないの?」

その声に視線を向けると、
「――姫島係長…」

彼がいた。

姫島係長は私たちに歩み寄った。

「なっちゃんを守りたかったとかかっこつけて言ってるけど、じゃあ何で賭けに参加したの?

好きだったら、そんなことをしないはずだよね?

むしろその賭けをやめるように、仲間たちに言うはずだよね?」

姫島係長のセリフに、
「――それは…」

平林くんはバツが悪そうに目を伏せた。

「結局はその仲間たちと一緒じゃん。

なっちゃんがどうとかじゃなくて金欲しさに賭けに参加した」
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