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彼女なら、言いそうだ。

あの子は本当にかわいくて、優しい。

そのうえ健気でたくましくて、一途な子だ。

私が勝てる要素なんて1つもない。

たぶん、姫島係長も好きになっちゃったよね?

彼には、彼女のようなタイプが似合っているだろうな。

そう思っていたら、
「でも俺は、なっちゃんがいい女だって思ってる。

世界で1番の、たった1人のいい女」

そう言った姫島係長に、私は耳を疑った。

私が姫島係長のいい女?

ニッコリと微笑む姫島係長に、私はポカーンと口を開けることしかできなかった。
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