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「けど、少しは場を考えて欲しい。

見ているこっちが恥ずかしい」

西山はため息をつきながら言った。

「俺としてはドラマのワンシーンみたいでおもしろいから、いいんですけどね」

んふっとやらしく笑った後、東雲は2人を眺めた。

「東雲主任は一体何を求めて生きているのやら…」

そう言った南野は呆れ顔である。

西山は熱が出たと言うように、手で額を押さえる。

「でも桃井も結ばれたとなると、残りは西山部長ただ1人だけじゃないんですか?」

そう言った東雲に、
「――そうだな」

西山は、一言だけ返した。

* * *
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