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いれたばかりのお茶をすすりながら、横目で姫島北斗に視線を向けた。

そんな私に気づいていないのか、彼はのん気にお茶をすすっていた。

お礼を言った方がいいのかしら?

いや、気づいていないだろうな。

私が近くで話を聞いてたことなんて。

それに何より、気づいて欲しくない。

「なっちゃん、美人だから嫉妬しちゃうのかもね」

姫島北斗が呟くように言った。

「えっ?」

どう言う意味なのだろう?

「なっちゃんは美人で仕事もできるから、彼女たちからして見たら嫉妬の対象になるんだなって」
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