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「まあ、あれだけ言っておけば、彼女たちも何にも言わないでしょう。

クビまで言ったし」

それはちょっと、言い過ぎな気もする。

逆らったら後がなさそうなので、黙っておくことにした。

「悪口を言われたからって、なっちゃんも落ち込まない。

もっと自分に自信を持って」

その瞬間、あの人の言葉と重なった。

――もう少し、自分に自信を持て

バカね…。

あの人はもう、私じゃないお姫様のそばにいるのに。

あの人のことを引きずっても、あの人が私のそばにいてくれる訳ないのに。
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