1107
私って、重い女だなあ。

外見が変わっても性格がこんなんだったら意味がじゃない。

「なっちゃん、大丈夫?」

「えっ?」

その声で私は我に返った。

「呼んでも気づかなかったから、どうしたんだろうと思って」

「ああ、ごめんなさい」

最近、こんなのが多いな。

昔好きだった人を思い出して、こうして感傷に浸ることが多くなった。

「そろそろ、仕事に戻ろうか?」

「そうですね、お茶ごちそうさまでした」

「どういたしまして」

お礼を言った私に、姫島北斗はニコッと笑った。
< 32 / 127 >

この作品をシェア

pagetop