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あの人が王様なら、彼は王子様だと私はそんなことを思った。

イケメンだし、優しいし、ただ性格が軽いと言うのが難点だけど。

「あれ?」

何か私、姫島北斗のことが好きみたいじゃない。

そう思って、私は慌てて首を横に振った。

何を言ってんのよ、私は。

姫島北斗なんて、裏を返せば軽いだけのタラシ人間じゃないの!

ちょっと待って。

私はいつ彼をタラシだと決めたんだ?

思わず、苦笑いをした。

何か私って、こんなキャラだったかしら?
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