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それに、何?

「俺となっちゃんがつきあったら、みんなだって何にも言わないでしょ?」

何よそれ…。

勝手な言い分だ。

何にも思ってないくせに、よく言うわ。

私のことはヒマつぶしの道具としか考えていないくせに、よくそんなことが平気な顔で言えるわね。

見習いたいくらいだわ。

「――結構です…」

出てきた声は、寒いのかと思うくらいに震えていた。

「結局は、何にも考えていないのでしょう。

私を守るためだとか言って、本当は自分の欲を満たしたいだけんじゃないんですか?」

濁流のように、どんどんと口から言葉が出てきた。
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