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そう聞いてきた彼女に、私は首を傾げた。

何と何が?

いきなり二者択一を迫られた私は、何を言えばいいのやら。

「アジのフライとイワシの煮つけ、桃井さんはどちらがいいと思いますか?」

ああ、夕飯の献立か。

「イワシ、がいいんじゃない?」

何を言っているんだと思った。

ほとんど勘任せだ。

「じゃ、イワシの煮つけに決定!

早く帰って準備しよ!」

「気をつけてね」

「はーい!」

鼻歌を歌いながら、彼女が私の前から去って行った。
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