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ポニーテールの髪が左右に揺れる。

やっぱり、いい子だな。

本当にお姫様みたいだ。

いつもあの人の隣にいて、いつも笑ってて、いつも明るくて…私が持っていないものを、彼女はみんな持っている。

いつも、うらやましいと思ってしまう。

私も、そろそろ戻らなきゃ。

サボっていたら、後輩に示しがつかない。

そう思いながら、エレベーターの前にきた時だった。

チンと音がしたのと同時に、ドアが開いた。

「なっちゃん!」

その声に、躰が震えた。
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