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気持ちが気づいた時には、あの人の隣には彼女がいた。

だから、あの時の二の舞をしたくない。

気持ちに気づいたから、姫島北斗のそばにいたい。

姫島北斗の隣にいたい。

2番目や3番目じゃなくて、本当に彼の1番になりたい。

ただそれだけの思いで、私は彼に頭を下げた。

「いいよ、なっちゃん顔あげて」

言われて顔をあげると、姫島北斗が微笑んでいた。

「なっちゃんの気持ち、わかったから。

なっちゃんは俺の補佐役、本当にいいんだね?」

そう聞いてきた彼に、
「はい」

私は首を縦に振ってうなずいた。
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