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「君が桃井那智(モモイナチ)だから、なっちゃん」

そう言った彼に、
「失礼ですが、あなたは誰ですか?」

私は質問をした。

いきなり昨日のことを話されても、覚えている訳がない。

と言うか、なっちゃんってなれなれしく呼ぶかしら?

「俺のことも覚えてないのかよ…」

ため息混じりに呟いた後、彼は片手で隠すように顔の半分を押さえた。

覚えていたら、何だって言うのよ。

そう思っていたら、
「姫島北斗(ヒメジマホクト)」

「えっ?」

「俺の名前、姫島北斗。

お姫様の姫に、島田紳助の島で“姫島”。

北斗七星で“北斗”」

彼が言ったので、私は納得した。
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