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「で、今日は何で顔が真っ青なの?」

主任が聞いてきた。

「すみません、寝不足気味みたいで…」

姫島係長が言ったことと同じ言い訳を主任にもした。

「そう?

そのわりにはあまり眠そうな顔してないけど」

他人には興味がないフリをしているくせに、こう言う時に主任は深入りをしたがる。

「大丈夫なんで、気にしないでください」

「そう。

じゃ、コピーよろしくね」

そう言って主任はヒラヒラと手を振ると、私の前を去った。

後ろ姿を見ながら、私は彼がうらやましいと思った。
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