君が笑顔でいてくれるなら*
「先生私に興味あんの?」
私はベッドの上に座った
「お前勝手に出るなよ」
「水飲みたくて」
私は水を一口飲んだ
日記返してよ
「そろそろ返してよ」
私は日記を奪うと
戸棚に乱暴に閉まった
「てか、夏木さんご両親は?」
私は固まった
一番したくない話だった
「そんなんいない、私捨て子だから、それよりさ夏木さんじゃなくて亜依華って呼んでよ!それとも恥ずかしいのかな?」
「ちげぇーよ」
なんだ可愛いとこ
あるんじゃん
「とにかく、大人しくしてろよ」
彼は病室を出て行った
私は日記を取り出し
無愛想ってところを
ペンで塗りつぶし
こう書いた
"可愛いしゃい"ってね
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