君が笑顔でいてくれるなら*
「落ち着いた?」
「うん」
あたしは亜衣華に
飲み物を渡す
「ありがとう」
「大丈夫か?」
「病気になってあんなに仲良くなれた子由梨ぐらいだっただから悲しかった」
俺は黙って話を聞いた
「新先生は偉いね、そうやって冷静に対処できるんだもん」
「んなことねーよ」
亜衣華は"え?"って
顔をした
「俺だって、由梨ちゃんが死んだとき悔しかったよ」
俺は亜衣華の顔を見る
「俺だって泣きたかったよ、でも医者は泣けないわ」
そして亜衣華は
俺の口にそっと
唇を合わせた
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