グレーに染まる
コーヒーを飲み干してゴミ箱に空き缶を投げ入れると、後ろから誰かの声がした
「ナイッショ!」
振り返ると2人の男子生徒が此方を見ている
「うおっ!近くで見ると更にすげー!」
「女のくせに厳ついねー」
「…女が厳ついとダメなわけ?」
眉を寄せて見据えるとそいつらは微かに肩を跳ねさせた
「あ、いや、別に。」
「そ。ならいいけど」
そのまま帰ろうと2人の脇を通りすぎる
「あのさっ」
頼りない声に立ち止まりそいつの顔を見た
緊張したような歪んだ顔
それだけで私には十分伝わった
「昼以外は基本カウンセリングルーム」
「…え?」
「いなかったらウロウロしてるから」
「…え、あぁ。…うん」
「じゃ。」
それだけ伝えると私は食堂を出た