グレーに染まる







コーヒーを飲み干してゴミ箱に空き缶を投げ入れると、後ろから誰かの声がした



「ナイッショ!」



振り返ると2人の男子生徒が此方を見ている



「うおっ!近くで見ると更にすげー!」



「女のくせに厳ついねー」



「…女が厳ついとダメなわけ?」



眉を寄せて見据えるとそいつらは微かに肩を跳ねさせた



「あ、いや、別に。」



「そ。ならいいけど」



そのまま帰ろうと2人の脇を通りすぎる



「あのさっ」



頼りない声に立ち止まりそいつの顔を見た





緊張したような歪んだ顔


それだけで私には十分伝わった



「昼以外は基本カウンセリングルーム」



「…え?」



「いなかったらウロウロしてるから」



「…え、あぁ。…うん」



「じゃ。」



それだけ伝えると私は食堂を出た



< 8 / 28 >

この作品をシェア

pagetop