world LOST world
美鈴の手は暖かくて、
たまに疑ってしまうんだ。
美鈴が病気だってことを…
美鈴は俺の手を握る力が弱くなった。
俺が美鈴の顔を見ると、
それに気づいた美鈴が言った。
「ねぇ星夜くん、あたしがどんな姿になっても星夜くんの側に居させてくれる?」
「当たり前だろ」
俺は周りの目も気にせず
美鈴の手を引き、抱きしめる。
俺の腕の中に美鈴が居ることを確かめるように…強く強く。
美鈴は俺の胸に顔を埋めながら言った。
「あたしの体がすごい痩せちゃっても側に居させてくれる?」
「あぁ」
「体が動かなくなって寝たきりになっても側に居させてくれる?」
「…あぁ」
少しずつ視界がぼやける。
俺の目に涙を溜まっていくのがわかった。