world LOST world
病室に着くと
美鈴はいつも通り笑う。
さっきのことは
何も聞いては来なかった。
俺もまだ
真冬のことは美鈴には話せない。
俺だってわかんねんだ。
真冬がなんで
この病院に居るのか。
そもそも
意識がなくて今だに
眠っているんじゃねーのかよ。
「せーやくんっ」
いきなり美鈴が俺の頬をつねって引っ張った。
「あんだよ?」
俺は美鈴を軽く睨む。
「あたしと居るときはあたしのことだけ考えてなさいっ!」
美鈴は笑ってそう言った。