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「そっか・・・"久々"なんだね、星夜にとっては」


「え?」




その顔は真冬のリストカットと見つけた時と同じ顔で、嫌な記憶がよみがえる。



「星夜はあたしと別たことなんて昔の話かもしれない。でも…でもね?」



すると、真冬は俺の肩をぐっと掴む。


それ同時に真冬の目から涙が落ちた。



「あたしは違う。星夜と別れたのだって最近のことだし、楽しかった頃の思い出だって、数ヶ月前の新しい記憶なの!」



強く強く、訴えてくる。
訴えられれば訴えられるほど体は震え、


真冬への恐怖は大きくなる。




「星夜からすれば勝手にあたしが飛び降りたからって思ってるかもしれない! でもね…好きだからなんだよ」










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