world LOST world
真冬の耳元で囁き勢いよく真冬から離れる。
「二股かけて騙してたのはお前だろ!?」
真冬は静かに泣いていた。
「………もう、裏切らないから」
「お願い、あたしを捨てないで…」
そして、また恐ろしいことを口にする。
「側に居てくれないなら、今度こそ……死ぬから」
真剣な目。
でも、俺は冷静だった。
今、俺が守るべき人は一人だけ。
「……なら、その命。美鈴にあげてくれないか」
俺が、そう言うと、
真冬は固まった。
唇を震わし目を見開く。
「お前が死のがうが生きようが、もう俺には関係ない。ただな…命がいらないってんなら美鈴にあげてくれよ」