world LOST world
すると、振り返って俺を見た。
「美鈴ちゃんと重ねちゃったってか?」
「……それもあるとおもう」
すると、一貴はぐっと拳を作った。
「晴香、そうとう参ってんな。病室な居る間は堪えてたっぽかったけど、出た瞬間…崩れた」
「あぁ、まあ…軽く見てたし」
そして、ちらっと一貴を見た。
「お前も、相当きてんな」
「まあ…な」
見ると、さっき作った拳が震えていた。
「でも、俺が泣いたら、星夜が辛いだろ」
そして、少しだけ濡れた目で俺を見る。
「俺たちの知らない所でお前はどんだけ泣いたんだよ…俺たちは何も知らないで笑ってたとき、どんなこと考えてたんだよ」
「そう考えたら、俺は泣くべきじゃねぇ…俺は泣いてる奴を支えるべきだ」