world LOST world






「ハアハア…くそっ…」



だから、だから、
アイツ言ったのか。

"来ないで"って。




なんで、昨日気づかなかった!?



「……くそっ!」




死ぬな死ぬな…死ぬな!








――――――――プルルルル……



今から20分前に突然鳴った俺の携帯。



それは、それは美鈴からだった。


病院て携帯使えないよな?
つか、美鈴から電話なんて…おかしいよな?



「…もしもし?」


すると、受話器の向こうから聞こえた声は美鈴ではなく、美鈴の母親だった。



「星夜くん!美鈴の様態が急変したの!!急いで、急いで病院に来て!」




携帯が地面に落下する。




「嘘だろ…」



そんな…突然。


"明日来ないで"



……突然じゃなかった。

アイツは気づいていた。
自分がこうなることを知って"来ないで"って言ったんだ…



「ばか野郎っ!」





俺は勢いよく家を飛び出した。







< 184 / 205 >

この作品をシェア

pagetop