world LOST world
「ハアハア…くそっ…」
だから、だから、
アイツ言ったのか。
"来ないで"って。
なんで、昨日気づかなかった!?
「……くそっ!」
死ぬな死ぬな…死ぬな!
――――――――プルルルル……
今から20分前に突然鳴った俺の携帯。
それは、それは美鈴からだった。
病院て携帯使えないよな?
つか、美鈴から電話なんて…おかしいよな?
「…もしもし?」
すると、受話器の向こうから聞こえた声は美鈴ではなく、美鈴の母親だった。
「星夜くん!美鈴の様態が急変したの!!急いで、急いで病院に来て!」
携帯が地面に落下する。
「嘘だろ…」
そんな…突然。
"明日来ないで"
……突然じゃなかった。
アイツは気づいていた。
自分がこうなることを知って"来ないで"って言ったんだ…
「ばか野郎っ!」
俺は勢いよく家を飛び出した。