world LOST world
あたしは家に帰ると
久しぶりに晃雅くんに電話をした。
晃雅くんなら、
きっと、妊娠のことも
病気のことも
すべてを受け入れてくれる。
なんて、甘く考えていた。
あたしは晃雅くんが
居てくれれば死んだってかまわない。
あたしがもうすぐ
死ぬなら、この妊娠は
最初で最後。
生みたい。
あたしは、何もかも
考えが甘かった。
"死"を甘く見ていた。
"生"を甘く見ていた。