手をつなごう
‐いつ会う?


優太の誘いを何時断ったのだろう。


千冬の事を思い出しては心にしまった。


そう言えば優太に質問した事がある。


ただ目の前の女とヤリたいだけなんじゃないか。


優太は笑って答えた。


「ただヤリたいだけならこんなにしつこくしないよ。」


そうなのか・・・


「ユッキーは考え過ぎたよ。」


いつの間にか`有紀ちゃん'がユッキーに変わっていた。


メールアドレスも交換した。


優太の存在は大きくなる。


会えない人。


会ってはいけない人。


そんなルールに急かされる。


2人が会いたいと思うのは自然な事なのに。


優太は付け加えた。


「ユッキーは男だから大丈夫。」


完全に優太のペースだった。


優太の言葉を思い出してメールをした。


‐そうだね。いいよ。会おう。


‐えっ!?マジで?いいの?変更なしだよ!


顔も見た事がない優太の笑顔が浮かんで嬉しくなった。


約束の後は仕事も手に着かない程浮かれていた。


その時の有紀は先を考える余裕などなかった。



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