約束 〜君との未来〜
いつもと同じく朝まで飲み会計を済ませ、エレベーターで下へ向かう。

『まだタクシー来てないや。』

私は携帯をいじりながらタクシーを待つ。

少ししてエレベーターの方から楽しそうな声が聞こえてきた。

りょうとお客さんだった。

『じゃあね。』

手を振るお客さんに『ありがとうございました!』と深々と頭を下げる君。

その一礼が綺麗だった。

見送りをしたりょうは私に気づく。

『あれー?何してんのー?』

近づいて来る足取りがフラついていた。

『酔ってるの?』

『さっきのお客さんがシャンパン入れてくれてさ〜。』

そんな会話をしているとタクシーが来た。

『早くお店戻りなね。』

『やだ。見送る。』

りょうはタクシーに乗り込んだ私に手を振った。

動き出したタクシーから、りょうの姿を見続けた。

深々とする一礼があまりにもキレイで見とれてしまった。
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