チェリーブロッサムの憂鬱
高校に入ってもう3カ月。
もうすぐ中間テストがあるため、みんないつもは聞かない授業をしっかり聞いている。
俺は一応開いた真っ白なノートに、目の前で熱心に授業する先生の顔を描いた。
「ここはテストに出すからなー」
先生が黒板の文字に赤いチョークでぐるっとまるをした。
結局、出ないんだろ。
そんなことを思いながらも一応その部分の教科書のはじっこを折っておく。
ふっと窓の外を見ると、最近あけたばかりの梅雨なんて微塵も感じさせない日の照りよう。
体育で外にいる人らが可哀想だと思った。
カサッ……
窓を見ていると、紙の擦れる音が自分の机からした。
下を見るとノートの上に小さく折りたたまれた紙があった。
誰からだろ。
少しあたりを見渡すと斜め前に座る修平がピースしながら笑っていた。