”ただ、愛されたかった…”
 「ごめんね…。瑠理、付き合わせちゃって…。」

 由美の後ろに彼(不倫相手)が、立っていた。

 瑠理は、由美の彼に言いたい事がいっぱいあった。

 黙ってられない…。

 「卑怯だよ。由美を連れて、逃げ回って!

 奥さんと別れるって言ってるくせに、話し合ってないじゃん。

 順番が、逆でしょ!本気で、由美の事、考えてるの?」

 男は、その事には答えず、

 「…。ごめん、少しの時間、二人で話しがしたい…。

 少しの時間でいいから、頼む。」



 瑠理は、仕方なく、その場から少し離れた。


 20分位、二人での話し合いが続いた…。


 由美が、瑠理の方に歩いて来た…。

 由美は、泣いてた…。

 「瑠理、ごめん…。私、瑠理も親も、みんな大事…。

 でも…この人の事が、どうしても…好きなの…

 好きなの…。」


 一瞬…一瞬だけ、気持ちが迷った…。

 由美の純粋な人を好きになる気持ちに…。

 ”そんなに好きなら、どこにでもいってしまえ”

 そんな、言葉が頭の中に浮かんだ…。

 呆然としていた…。

 
 男が走って来た…由美の手をつかんで…

 二人は、車に…。

 車に乗って、行ってしまった…。


 こうならない為に、ついて来たのに…。

 また、二人は…

 逃げられた…。
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