”ただ、愛されたかった…”
 「ただいま」

 「おかえりなさい」

 美樹は、夕飯の支度をしている母(瑠理の母親)を手伝っていた。

 「美樹ちゃん、クリスマス、予定あるの?」

 「ないの!康之(美樹の彼)仕事で、会えないの…。」

 美樹は、おもしろくなさそうに答えた。

 「沙織やゆかり達とクリスマスパーティやるんだけど、一緒にいかない?」

 「…私…行かない…。家に居る。瑠理さん、行って来てよ。」

 美樹は行かないと言う…。


 「…じゃあ私も行かない。二人で、クリスマスパーティやろうか?」

 瑠理は、たまにそういうのもいいと思った。

 「いいの?ありがとう。楽しみにしてる。」

 美樹は、嬉しそうに答えた。



 
 瑠理は、ゆかりに電話した。

 「ゆかり?ごめん、今年クリスマスパーティ行くの辞める。美樹ちゃんが、家に居る

 って言うんだ。クリスマスに一人は、可愛そうだからさ~。美樹ちゃんの彼、仕事な

 んだって。本当、ごめん。」

 「なんで、あの子、来ないっていうんだろ?瑠理に我がまま言いたいんじゃない

 の?」

 「…まさか?」

 「…いいや、又、ご飯でも行こう。」

 ゆかりは、しょうがなくわかってくれた。
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