”ただ、愛されたかった…”
 「瑠理さん…あのね、お昼頃、康之(美樹の彼)から、電話があったの…。急に、

 会える事になったの…。瑠理さんごめんなさい。私今から、康之のとこ向かう。

 瑠理さんも、友達のパーティー言って来て。」

 美樹からの電話だった…。

 「…わかった。」

 瑠理は、他の言葉が出てこなかった…。

 ショックだった…。

 ”お昼に彼から電話があったんだったら、せめて、もっと早い時間に、

 メールでも入れてくれればいい”と思った。


 瑠理は、台所の料理を見て悲しくなった…。

 今日は、母親も友達との飲み会で、帰りが遅い…。

 しばらく、ぼうぜんとしていた…。

 ゆかりとかに、電話するのも、なんか気力が無かった…。


 一人で、やけ酒を飲みながら、料理をつまんだ。

 涙がでた…。

 ”なにやってるんだろう…”

 残った料理は、捨てた…。残ってると、余計自分が惨めな気がして…。

 チャチャがいてまだ、救いだった…。

 その日は、早く寝た。

 ”惨めなクリスマスだった”
 
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