”ただ、愛されたかった…”

瑠理の母親は、毎晩、晩酌をする。

 なんの趣味もないから、それが唯一の楽しみだと言う。

 だんだん、愚痴が始まる…。

 何かを、狙って、食い殺すような鋭い目…。

 瑠理に、その日あった事を、必死で話し、必死で伝えようとする…。

 …その目が怖かった…。

 少しでも、反論するなら、すごい攻撃をされる…。

 母親は、ものすごく負けず嫌いだ。

 自分が勝つためだったら、娘の心さえ…潰してしまう…。


 母親に、心を殺されそうだった…。


 ”私は、私の心を殺したくなかった…。”

 
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