”ただ、愛されたかった…”
 「美樹ちゃん、今日は、二人でご飯たべようね。」

 瑠理の母親は、飲み会で帰りが遅い。

 母親の作っておいてくれた、カレーライスを温めながら、瑠理は、言った。

 「うん。」

 美樹は、チャチャ(飼ってる犬)と遊びながら、そう答えた。

 
 食卓にカレーライスとサラダが並んだ。

 二人で、食べ始めた。

 「瑠理さん、あのね、瑠理さんみたいに、ならないで欲しいんだって。」

 なんの話しの繋がりもなく、美樹が、笑いながら、突然言い出した。

 「…誰が?なんで?」

 瑠理は…動揺した。でも、表面に出さない様に聞いた。

 「私のお母さんが、言うの。一緒に暮らしていても、瑠理さんみたいに

 なって欲しくないんだって。」

 美樹は、屈託のない笑顔で説明する…。

 「…なんでなの?」

 瑠理の心に見えない何かが、刺さった…。

 「私も、わかんないの、どうしてそんな事言うのか。」

 やっぱり、美樹は、笑いながら…そう言う…。


 あまりの突然の話しに、頭が、働かなかった…。

 頭の中に、白いモヤがかかった感じ…。


 
 美樹の言った言葉で、瑠理の頭の中が…占領されそう…。

 大切に思ってた、美樹からの、突然の言葉…
 
 やっぱり…ショックだった…。

 自分は、やっぱり否定されている…。

 自分の生き方がわからなくなった…。
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