”ただ、愛されたかった…”

 ”時間だけ、過ぎていった…”



 瑠理は、一人暮らしをしたいと思っていた。

 1年程前から、お金を貯めていた。



 瑠理の働いてるお店に、弥生さんが、お客さんで来た。

 一緒に働いていた先輩である。



 「瑠理ちゃん、お店変わるんだって?」

 弥生さんが、シャンプーしている瑠理に聞いた。

 「うん。一人暮らしするの!お店遠くなっちゃうから。」

 
 「この辺で、部屋探せばいいじゃん。」

 弥生さんは、言う。


 「…なんか、生まれ育ったこの土地の生活に、飽きちゃったの!」

 瑠理は、言った。


 「瑠理ちゃん、我侭だね。」



 「うん、私、我侭なの。」

 瑠理は、笑ってそう答えた。



 
 表面的には、明るくしていた…。


 でも、本当は、心の中は、


 枯れていたと思う。
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