”ただ、愛されたかった…”
 「瑠理さん、どうしてお風呂のお湯抜いたの?

 私、まだ入ってないのよ。」

 先生が、すごい怖い顔をして、瑠理の部屋に入って来た。


 「ごめんなさい…。先生もう入ったと、思って…。」

 初日から、大失敗。


 「どうして、入ったかどうか、聞けないの。一言聞くだけでしょ。」

 先生の言うとおり、瑠理は、何も言い返せない。


 ただ、どうしたらいいか、迷いは、した。迷った事は、二つ。

 お湯は、抜いていいのか、掃除は、した方がいいのか。

 先生は、11時だから、絶対お風呂に入ってると、決めつけ、掃除はしたのだ。


 
 恥ずかしさもあった。

 初めて、他人と一緒に暮らす事で、たった一言聞く事に

 躊躇した。




 その件も手伝ってなのか、先生との相性は、最悪だった。


 そんな先生が、瑠理に恋愛の話をしてきた。

 一緒に暮らしていて、1回だけだったけど。

 先生も、いろいろ抱えていたのかな?

 

 
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