”ただ、愛されたかった…”
 「久しぶり、瑠理、元気だった?」
 
 他の美容院に、住み込みで働いてる、友達の沙織が、言った。


「うん、沙織は、どう?うまくいってる?」

 瑠理は、気が重い。美容院での住み込みの生活は、どの角度からみても、

 うまくいってるとは、思えない…。


 「うん。私の住み込みの美容院は、家族でやってるの。先生とその娘二人。他に、

 パートの人が一人。

 アットホームで、先輩達も優しくて、遊びにもよく連れていってくれるんだ。

 この前もクラブに連れて行ってくれて、新しい友達が、一人できた、男の子

 だよ。今度は、二人で、遊びに行くの。順調だよ」


 「いいな~」



 沙織は、新しい生活の中で、輝いてる…。

 それに、比べ自分は…。


 すごく、自分が、惨めに感じた。


 嫉妬…。

 沙織の事が、

 羨ましかった…。


 人間の心の中は、複雑…。

 どんな気持ちで、沙織は、瑠理にこの話を

 していたんだろう…。
 
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