”ただ、愛されたかった…”
 「いただきまーす」

 勇太のお好み焼きが、テーブルに並んだ。

 瑠理が、一人暮らしの時に使っていたテーブル、茶色のどっしりとしたテーブル。それとセットの椅子に二人は座った。

 「朝からお好み焼きは、変?かと思ったけど、冷蔵庫と相談してるうちに、これがベストかなって。どう?美味しい?」

 勇太は、休みの日は、ほとんどなにか作ってくれる。そして、必ず感想を聞いてくる。

 「美味しいよー。これ、かつお節からだしとったんだね。めんどくさいけど、これをするかしないかで、味がかわるんだよね。
 私の真似したんでしょ。でも、よく観察してるなー。
 あんまり、勇太が料理、上手になったら、私の価値が下がっちゃうかも?」

 瑠理は、かなり早いペースで、お好み焼きを食べながら言った。


 「俺、あんまり料理作らない方がいい?」

 勇太が、笑いながら聞いてきた。


「それも、困る。作ってくれると、助かるし、嬉しい。これからも、よろしくお願いします。 
 このお好み焼きも食べていい?」

 瑠理の食欲は素晴らしい。


 「嬉しいね、そんなに食べてくれると、朝からお好み焼きもありだね」

 勇太は、瑠理の美味しそうに食べる姿が好きだ。


 「私は、ぜんぜん大丈夫。朝から焼肉だって、食べられるよ」

  
 二人は、顔を見合わせて、笑ってしまった。







 「あっ、お水あげるの忘れた。」

 
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